あお
一般社団法人栄養医学療養ケア研究所 代表理事/管理栄養士
保育園・医療福祉の給食現場を経て、管理栄養士として老健・生活習慣病外来に従事。エビデンスに基づく栄養ケアを普及し、サロン200名・セミナー50回/3,000名超。誰もが楽しく長生きする栄養改善を使命とする。
カテゴリー
受講者インタビュー
コース紹介
カテゴリー
受講者インタビュー
コース紹介

栄養指導の現場では、指導内容や対象者の状況を正確に記録することが重要です。その際に広く用いられているのが「SOAP形式」と呼ばれる記録方法です。
SOAPは、医療・保健分野で共通して使用されている記録方法であり、情報を整理しながら対象者の状態を把握し、適切な評価と指導計画を立てるために役立ちます。しかし、栄養指導に携わる方の中には「SOAPの書き方がよく分からない」「どのように記録すればよいのか迷う」という方も少なくありません。
この記事では、栄養指導で使われるSOAPの基本から、S・O・A・Pそれぞれの意味と書き方のポイント、さらに実際の栄養指導に活用できるSOAP記入例までを分かりやすく解説します。日々の栄養指導の記録に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

栄養指導では、対象者の食習慣や生活背景、身体状況など多くの情報を扱います。これらの情報を整理して記録するために用いられるのがSOAP形式です。SOAP形式を理解することで、情報を体系的に整理しながら適切な評価と指導計画を立てることができるようになります。
また、適切にSOAPが書けるようになると現場での医師や看護師との連携がうまく取れるようになり、仕事もスムーズに進みます。
SOAPとは、医療・保健分野で広く使用されている記録方法の一つで、以下の4つの要素の頭文字から成り立っています。
S:Subjective(主観情報)
O:Objective(客観情報)
A:Assessment(評価)
P:Plan(計画)
この4つの項目に沿って記録することで、対象者の状態を整理しながら記録することができます。SOAP形式は医療現場だけでなく、栄養指導や保健指導などの分野でも広く活用されています。
栄養指導では、対象者の生活習慣や食事内容、身体データなどを総合的に判断する必要があります。そのため、情報を整理しながら記録できるSOAP形式は非常に適した方法といえます。
例えば、対象者が「最近間食が増えている」と話した場合は主観情報として記録します。一方で体重や血液検査の数値などは客観情報として記録します。こうした情報をもとに評価を行い、今後の栄養指導の計画を立てることができます。
このように栄養指導SOAPを活用することで、情報整理と評価を効率的に行うことができます。
SOAP記録には、それぞれ役割の異なる4つの要素があります。
| タイトル | 内容 |
| S(Subjective:主観情報) | 対象者本人の発言や自覚症状など、本人から得られる情報を記録します。 |
| O(Objective:客観情報) | 身体測定結果や検査データなど、客観的に確認できる情報を記録します。 |
| A(Assessment:評価) | SとOの情報をもとに、栄養状態や問題点を分析し評価します。 |
| P(Plan:計画) | 評価をもとに今後の栄養指導や改善計画を立てます。 |
このように、SOAPは「情報 → 評価 → 計画」という流れで整理できる記録方法です。

SOAP形式を理解していても、実際の記録では「どのように書けばよいのか分からない」と感じることがあります。ここでは、栄養指導におけるSOAPの具体的な書き方を項目ごとに解説します。
Sでは、対象者が話した内容や自覚症状などを記録します。栄養指導では次のような内容が該当します。
例)
「仕事が忙しく、夕食が遅くなりがち」
「間食で甘いものをよく食べる」
Sの記録では、対象者の言葉に近い形で書くことがポイントです。
Oでは、測定結果や検査データなど客観的な情報を記録します。
例として次のような内容があります。
例)
体重:70kg
BMI:25.1
LDLコレステロール:150mg/dL
このような数値データは評価の根拠になるため、正確に記録することが重要です。
Assessmentでは、SとOの情報をもとに栄養状態や問題点を評価します。
例)
食事内容から脂質摂取量が多い傾向がみられる。
間食の頻度が高く、エネルギー過剰の可能性がある。
このように客観情報と主観情報を組み合わせて評価します。
Planでは、今後の栄養指導の内容や改善計画を記録します。
例)
間食を1日1回までに減らすことを提案。
夕食の時間を早める工夫について説明。
Planでは、実際に行った指導内容と今後の計画を具体的に記録することが大切です。

SOAP形式は便利な記録方法ですが、書き方を誤ると分かりにくい記録になってしまいます。ここでは、栄養指導SOAPを書く際に意識したいポイントを紹介します。
SOAPでは、主観情報と客観情報を明確に分けることが重要です。
例えば
この区別を意識することで、評価の根拠が明確になります。
Assessmentでは、評価の理由を明確にすることが重要です。
例)
脂質摂取量が多く、LDLコレステロール値が高いため脂質制限が必要と判断。
このように理由を書くことで、記録の信頼性が高まります。
Planでは、実際の指導内容を具体的に書きます。
例)
揚げ物の回数を週2回以内にすることを提案。
野菜摂取量を増やす方法を説明。
具体的な内容を書くことで、次回の指導にも役立ちます。

SOAPの書き方を理解するためには、具体例を見ることが役立ちます。ここでは栄養指導でよくあるケースのSOAP記入例を紹介します。
| 項目 | 内容 |
| S | 仕事が忙しく夕食が遅くなりがち。間食として甘い菓子をよく食べている。 |
| O | 体重68kg BMI24.5 食事調査より脂質摂取量が多い。 |
| A | 夕食時間の遅れと間食によりエネルギー摂取量が増加している可能性がある。 |
| P | 間食を1日1回までにすることを提案。夕食が遅い場合の食事内容について指導。 |
| 項目 | 内容 |
| S | 最近体重が増えてきたため食事を見直したい。 |
| O | 体重72kg BMI26.2 運動習慣なし。 |
| A | エネルギー摂取量が消費量を上回っている可能性が高い。 |
| P | 1日500kcal程度のエネルギー調整を目標に設定。ウォーキング習慣の導入を提案。 |
SOAP形式は医療現場で広く使われている記録方法ですが、栄養指導においても多くのメリットがあります。
SOAP形式では、情報を4つの要素に整理して記録します。そのため対象者の状況を体系的に把握しやすくなります。
医療現場では複数の職種が連携します。SOAP形式で記録することで、他職種にも情報が伝わりやすくなります。
SOAP記録を残すことで、過去の指導内容を振り返ることができます。対象者の変化を確認することで、指導の効果を評価することにも役立ちます。
SOAP形式を使い始めると、多くの人が共通の悩みを感じます。ここではよくある悩みとその考え方を紹介します。
SOAPを書く際は、次の流れを意識すると整理しやすくなります。
この順序で考えると、自然に記録をまとめることができます。
Assessmentは経験が必要な部分です。判断に迷う場合は、食事内容・生活習慣・身体状態の3つの視点から整理すると書きやすくなります。
SOAP記録では、すべてを書こうとすると長くなりがちです。評価に必要な情報だけを整理して書くことで、読みやすい記録になります。
栄養指導の記録では、対象者の状況を整理しながら適切な評価と指導計画を立てることが求められます。SOAP形式を活用することで、主観情報・客観情報・評価・計画を体系的に整理でき、指導内容を分かりやすく記録することが可能になります。
また、SOAP形式で記録を残すことで、指導内容の振り返りやチーム内での情報共有がしやすくなり、栄養指導の質向上にもつながります。
日々の実務の中でSOAPの書き方に慣れていくことで、対象者の状態をより的確に把握し、効果的な栄養指導を行えるようになるでしょう。まずは基本的な書き方を理解し、実際の栄養指導の記録に取り入れてみてください。
栄養指導では、対象者の生活習慣や食事状況を正しく把握し、適切な評価と指導計画を立てることが重要です。そのためには、栄養学の知識だけでなく、情報を整理しながら判断する力や、実践的な指導スキルも求められます。
知識を断片的に学ぶだけでなく、評価の視点や指導方法まで体系的に理解することで、日々の栄養指導に自信を持って対応できるようになります。独学だけでは不安を感じる方や、栄養指導の専門性をさらに高めたいと考えている方にとって、体系的に学べる講座は有効な選択肢の一つです。
ここでは、栄養学の知識を実務に活かしたい方や、栄養指導のスキルアップを目指す方に向けた資格講座をご紹介します。
栄養医学ケア指導師は、個人や悩みに寄り添い、適切に栄養サポートができる「栄養コンサルタント」です。本コースでは、栄養の基礎から、日常で最もわかりやすい栄養・サプリメントの分子栄養学を実用的に学びます。家庭やサロンでの栄養サポートに特化し、大切な人を内側から守るための実用的な知識を習得します。
栄養医学療養専門師は、医療従事者に特化した「現場で使える栄養医学」を学ぶ資格講座です。クライアントにとって最も安心できる存在になることを目指し、栄養医学知識の強化とステップアップ、さらに指導レベルの向上を体系的に習得します。資格取得後すぐに現場で活用できるケーススタディも豊富に学べるため、職場で一番栄養に詳しい人材へと着実に成長できます。
日々の栄養指導を振り返りながら、自身の専門性を見つめ直し、次のステップにつなげる学びとして活用してみてください。